VOL.19
忘年会、クリスマス、新年会。何かとお酒を飲む機会が多いシーズンです。
飲み過ぎは健康を害する原因になりますが、本来お酒は「百薬の長」ともいわれ、健康にとってさまざまなメリットがあるはず。
そこで今回の特集では、楽しく健康的にお酒を飲むためのノウハウをたくさん集めてみました!
「まったく飲まない人や大量飲酒する人に比べて、適度な飲酒者の死亡率は総じて低い」という、お酒好きにはちょっと嬉しいデータもある。1日に日本酒換算で1〜2合程度の飲酒をする人が、心疾患や事件・事故などの死亡リスクが一番少ないというのだ。ただし、それ以上の量を飲むと、一気に死亡率が跳ね上がってしまうからご用心。
この現象は、グラフに表したときの形から「Jカーブ」と呼ばれている。くれぐれも「百薬の長」という言葉に甘えるべからず。
「お酒を飲むなら、適量を守りましょう」……何度も聞いた言葉だが、この「適量」というのが大問題!「二日酔いにならない程度かな」「記憶を失う直前でしょ?」など、人によって解釈もさまざまだが、適量の決め手となるのは血中アルコール濃度だ。
体内に入ったアルコールは約20%が胃で、残りの80%が小腸で吸収され、血流に乗って全身を巡る途中、肝臓で分解される。どんどん分解されれば酩酊せずにすむのだが、肝臓のアルコール処理能力は限界があり、1時間で体重1kgにつき100ml程度といわれている。処理しきれなかった分のアルコールは血液中に残り、再び体内を循環する。
血液中にどれだけアルコールが残っているかで酔いの状態が違ってくるが、血流がよくなり、リラックスしたり、陽気になる“ほろ酔い状態”の時には、アルコール血中濃度が0.1%。これ以上濃度が高くなると、ふらついたり、吐き気をもよおしたりと酩酊状態に陥ってしまう。
というわけで、お酒の「適量」とは血中濃度が0.1%までに抑えられる分量をいう。
「血中アルコール濃度0.1%」といっても、実際どれくらいの量に該当するのか、ピンと来る人は少ないだろう。そこで便利なのが、「お酒の単位」という考え方だ。
清酒1合、ビール大瓶1本、ワイン1/3本、ウイスキーの水割り(シングル)2杯に含まれるアルコールの量はだいたい22g前後。体重60kgの人が30分以内に飲んだ場合、約3時間で分解される量に相当するが、これを「酒1単位」としている。適量は1日1〜2単位まで。もっとも、個人の体重や体質にもよって異なるので注意しておこう。
飲む前に食べる |
飲みながら食べる |
飲んだ後に食べる |
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ポイント |
アルコールを順調に代謝するためには、丈夫な胃と肝臓が必要だ。まず胃と肝臓をアルコールから守る成分を食べて、“飲み”に備えよう。また、日頃からこうした成分をサプリメントで補っておくのもいい。 | 乾杯の後、飲む方にばかり一生懸命になってはいけない。「飲みながら食べる」ことが、二日酔い防止術の鉄則だ。アルコール代謝を助ける成分をおつまみなどで補おう。 | すでに二日酔い状態の場合は、アルコールの代謝を促進することと、アルコール分解の途中で生じたアセトアルデヒドの分解を促すことを心がけよう。まずは水分を摂取し、食欲が出てきたら栄養補給を。 |
食材 |
ゴマ、マリアアザミ、ヨーグルト、牛乳 、 オクラ、山芋、納豆など | 肉、魚、チーズ、豆腐、枝豆、ネギ、ニラ、にんにく、イモ類、小松菜、ブロッコリー、ピーマン、ナッツ類 | スポーツドリンク、ミネラルウォーター、オレンジジュース 、柿 、シジミの味噌汁 、梅干 、コーヒー |
さて、ある程度酔いがさめ、元気が回復してきたら、ぬるめのお風呂に入ったり、ウォーキングなどの軽い運動を。血流がよくなり、アルコール分解がさらに早まる。ただし、飲酒直後は絶対にNG。肝臓への血流が減って機能が低下するばかりか、心臓に負担がかかり、命を落としかねない。
また、迎え酒も×。アルコールで脳を麻痺させ、一時的に血糖値を上げて頭痛や吐き気を抑える効果はあるものの結局はさらにひどい二日酔い状態を招くことに。迎え酒が習慣化すれば、アルコール依存症にも近づいてしまう。
コラム:「下戸」の語源とは? お酒が飲めない人のことを「下戸(げこ)」というが、その語源にはいくつかの説がある。 |
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